WORKS / 店舗・事業所

長く親しまれた店の記憶を受け継ぎ、これからを支える新しい店舗へ

熊本地震で全壊と認定された旧店舗を、同じ敷地で建て替えました。

熊本市東区木造平屋建て(飲食店)延床面積 192.74㎡店舗新築(建て替え)工期:約6か月(2018年6月18日〜12月15日)施工:2018年12月完成

1. 長く続けてきた店を、同じ場所でもう一度

熊本地震で全壊と認定された旧店舗を、同じ敷地に建て替えるご相談でした。長く商いを続けてきた店だからこそ、新しい建物にするだけでなく、これまで大切にしてきた使い方や雰囲気をどう受け継ぐか。そこから打ち合わせを始めました。

旧店舗の解体から着手し、その年の冬の営業再開を目指して計画を進めました。

2. 新しい店のイメージを一緒に描く

打ち合わせでは、細かな設備の希望だけでなく、新しい店をどのような雰囲気にしたいかを伺いました。

外観は黒を基調に、白と木目を組み合わせた落ち着きのある店構えに。店内は木の温かさが感じられ、仕出し・宴会・お食事のそれぞれに対応できる空間を目指しました。色や素材についても、完成した姿を一緒に思い描きながら、一つずつ確認していきました。
日々の使い勝手も確認

日々の営業に関わる使い勝手についても、節水型の水栓、店名サインを照らす照明、屋外コンセントなど、必要なものを細かく確認しました。

3. 客席の心地よさと、厨房の動きやすさをひとつに

お客様を迎える側は、風除室から廊下、カウンター席、3つの客間へと自然につながる構成にしました。客間は襖を開けるとひと続きの座敷になり、人数や宴会の形に合わせて使うことができます。

厨房側は、鮮魚の作業、検収、保管、配膳など、日々の仕事の流れに合わせて場所を整理しました。厨房機器と造作棚の位置も図面で確認しながら、無理なく作業できる配置を整えています。

4. 営業再開の日を見据えて進めた工事

2018年6月に旧店舗の解体から着手し、地盤・基礎、木造の骨組み、屋根・外壁、設備、内装・厨房へと工事を進めました。

飲食店は建物だけでなく、電気・給排水・ガス・空調・厨房機器までそろって初めて営業を始められます。設計者や設備業者と一つずつ納まりを確認し、同年12月15日の完成・お引き渡しまで約6か月でまとめました。

5. 受け継いだ雰囲気と、新しい使いやすさ

黒を基調とした外観に白と木目を添え、夜は縦格子の内側からやわらかな光がこぼれる店構えになりました。

店内も廊下、カウンター、客間を木の色合いでつなぎ、落ち着きのある一体感を持たせています。その奥には、仕出しと店内営業を支える厨房・作業室・保管設備を配置。お客様を迎える空間と、日々の仕事を支える場所の両方を、ひとつの平屋に整えました。
工事の記録(材料・工程の詳細)

建物

  • 木造在来軸組工法の平屋。延床面積 192.74㎡(飲食店)。土台と大引に桧、柱に杉、梁・桁に米松。工場であらかじめ加工した木材(プレカット)を使用
  • 新築時の防蟻工事:基礎打設前の土壌処理と、上棟後の外周木部・床組への薬剤散布

基礎

  • 着工前に地盤調査。表層改良(セメント系)、砕石の敷き固め、防湿フィルムと断熱材(厚さ25mm)の敷き込み、土間コンクリート(厚さ180mm)と立ち上がり

屋根・外壁

  • 屋根:カラーガルバリウム鋼板の折板に断熱材を裏貼りし、遮熱断熱塗装
  • 外壁:サイディングを黒系(基調)・白系・木目調で貼り分け。人工木の縦格子、笠木はガルバリウム鋼板、巾木はモルタル下地にウレタン塗装
  • 色は2018年8月23日の打ち合わせで確認(外壁3種、軒天、外部格子、屋根、室内建具・襖縁)

設備・内装

  • 電気・給排水・ガス・空調換気の配線配管。サッシと自動ドア
  • 断熱材、ボード、クロスと床シート、製作家具と建具、畳、タイル、照明器具
  • 厨房機器とプレハブ冷凍冷蔵庫の搬入設置。厨房図はメーカーと4回(6月25日・7月7日・7月24日・8月31日)更新して納まりを確認
  • 打ち合わせで確認した個別事項:水栓を節水タイプに、店名サインを照らす照明を強く、スタンドライト用の屋外コンセント

日程

  • 2018年6月18日 旧店舗の解体着手/7月9日 確認済証/7月18日 地鎮祭/12月15日 完成・引渡し

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